タイ商業開発局(DBD)の発表によると、デジタル政府の推進および行政手続きのペーパーレス化・効率化を目的として、2026年7月1日以降に新たに設立される株式会社およびパートナーシップの登記申請手続きが「完全オンライン化」されました。これに伴い、各地のDBDオフィス窓口での紙書類による持込申請は一切受け付けられなくなりました。
今後は、DBDが提供するオンライン登記システム「DBD Biz Regist」が唯一の申請チャネルとなります。この移行により、従来必要だった大量の紙書類への署名や役所への訪問が不要になり、デジタル署名とe-KYC(電子的な本人確認)を用いたデジタル完結型の手続きへ変更されます。
何が起きたか
タイ商業開発局(DBD)は、行政サービスのデジタル化の一環として、2026年7月1日より新会社設立登記の窓口申請を廃止し、すべて「DBD Biz Regist」システム経由のオンライン申請に統一しました。対象となるのは、新規に設立されるリミテッド・カンパニー(株式会社)およびパートナーシップ(合名会社・合資会社)です。
これまでタイで会社を設立する際は、発起人や株主、取締役全員の物理的な署名(青色インクでの手書き署名が慣例)を集めた紙の申請書類一式を、代理人等がDBDの各管轄事務所へ直接持ち込んで申請していました。7月1日以降は、システム上でのアカウント登録、デジタル署名の適用、およびオンラインでの本人確認(e-KYC)を経て、すべてのプロセスがペーパーレスで処理されることになります。
在住者・長期滞在者への影響
タイで新しく起業する日本人、日系企業の現地法人を設立する担当者、および事業パートナーにとって、法人設立プロセスの大幅な変更となります。
これまでのように「必要書類を紙で印刷し、関係者全員が手書き署名して窓口へ提出する」という手法が通用しなくなります。オンライン化によって手続き時間が短縮されるメリットがある一方、登録する株主や代表取締役(ディレクター)全員がオンラインシステム上で「アカウント登録」および「e-KYCによる電子本人確認」を行う必要があります。特にタイ国外に居住している日本人株主や、電子システムに不慣れな共同出資者がいる場合、本人確認手続きの段階で設立が滞るリスクがあるため、設立準備の初期段階からオンライン対応を想定したスケジュール調整が必要です。
確認すべきこと
- 「DBD Biz Regist」アカウントの作成: 会社設立手続きを行う代理人(弁護士や会計事務所など)だけでなく、会社の代表取締役となる人物もシステムへの登録と本人確認が必要となる場合があります。
- e-KYC(本人確認)の要件確認: 外国人(日本人など)が株主やディレクターになる場合、パスポート情報を用いた電子本人確認が求められます。必要となる端末スペックや、認証アプリのダウンロード要件をあらかじめ確認してください。
- 手続き代理人との連携: 設立手続きを会計事務所やコンサルティング会社に委託している場合、彼らが新しい完全オンラインシステムに対応した申請手順で準備を進めているか、事前に確認を徹底してください。
今日または今週すること
- DBD公式ポータルの確認: 商業開発局の公式オンライン登記ポータル「DBD Biz Regist」(https://edbr.dbd.go.th)にアクセスし、システムのアカウント登録手順やマニュアル、必要な本人確認書類について確認してください。
- パートナーや専門家とのロードマップの擦り合わせ: 現在法人設立を準備中、または今後計画している方は、設立スケジュールにe-KYC等の本人確認ステップを組み込み、必要な書類のデジタル化(PDF化など)を前倒しで進めてください。
情報源
- タイ商業開発局(DBD)公式ポータル: https://www.dbd.go.th
- DBD Biz Regist オンライン登記システム: https://edbr.dbd.go.th
- DBD カスタマーサポート(Biz Regist サポートセンター): 9階、電話: 02-547-5995-8 / コールセンター 1570