タイの国家放送通信委員会(NBTC)を巡る委員長の資格問題が長期化するなか、通信サービス利用者でもある26歳の弁護士が、法令違反の確認と委員長の職務停止を求めて中央行政裁判所へ提訴しました。NBTCは携帯電話・インターネットなど通信サービスの許認可や監督を担う規制機関です。

何が起きたか

Bangkok Postが2026年8月15日に報じたところによると、弁護士のサルンポーン・ミーシル氏(26)は、一般のタイ国民かつ通信サービス利用者の立場から、NBTC委員長サラナー・ブーンバイチャイヤプルック氏がNBTC関連法に違反しているとの確認と、職務執行を差し止める仮処分を中央行政裁判所へ求めました。委員長の在任によって委員会が機能せず、消費者と公共の利益が損なわれていると主張しています。

背景・委員長の資格を巡る対立

NBTCの委員選定委員会は2026年7月17日、サラナー氏がNBTC法上の委員資格を満たしていないと全会一致で判断しました。報道によると、同氏は2022年1月から4月にかけてマヒドン大学の臨時職員として在籍し、国立病院が運営する高額診療クリニックでも時間給の医師報酬を受け取っていたとされます。関連法は、委員による他の国家機関などでの有給の外部業務を禁じています。

サラナー氏は選定委員会の権限を争い、判断の取り消しを求めて提訴しましたが、中央行政裁判所は、法的に救済すべき損害がまだ生じていないとして訴えを受理しませんでした。これは選定委員会の判断自体の適法性を確定した判決ではありません。アヌティン・チャーンウィーラクン首相はその後、サラナー氏の解任を求める手続きを国王の裁可に付すための申請を提出したと説明しています。サラナー氏は資格違反を否定し、新たな資料を提出したと報じられています。

通信利用者・事業者への影響

Bangkok Postによると、一部委員が委員長の下で決定を行うことの法的リスクを理由に出席を見合わせ、直近5回の委員会が定足数不足で開けませんでした。このため、消費者、事業者、国の通信政策に関わる複数の規制判断が遅れていると報じられています。

今後の見通し

中央行政裁判所が今回の弁護士による提訴を受理するか、職務差し止めを認めるかが今後の焦点です。委員長の資格と地位を巡る手続きが決着し、委員会が再開できるかを確認する必要があります。

情報源

- Bangkok Post「Young lawyer seeks court ruling to end NBTC crisis」

https://www.bangkokpost.com/business/general/3302185/young-lawyer-seeks-court-ruling-to-end-nbtc-crisis

- Bangkok Post「Court rules against embattled NBTC chief」

https://www.bangkokpost.com/business/general/3298529/court-rules-against-embattled-nbtc-chief

- Bangkok Post「PM Anutin seeks royal order to remove embattled NBTC chief」

https://www.bangkokpost.com/business/general/3299995/pm-anutin-seeks-royal-order-to-remove-embattled-nbtc-chief

- Bangkok Post「NBTC deadlock imperils several projects」

https://www.bangkokpost.com/business/general/3297182/nbtc-deadlock-imperils-several-projects