家賃と「入居日に必要なお金」を分ける
月額家賃が同じでも、初回の支払額や退去時に戻る額は同じではありません。見積もりは「毎月の費用」「先払いする家賃」「返金条件のある保証金」「返金されない費用」に分けて比較します。
家賃20,000バーツで計算する例
仮に、初月家賃20,000バーツ、保証金40,000バーツ、返金されない初期費用1,000バーツという見積もりなら、入居前に必要な現金は61,000バーツです。このうち40,000バーツは保証金であり、毎月の家賃とは別です。
予約時に5,000バーツを払い、それを初月家賃に充当する合意があるなら、残りの支払額は56,000バーツです。「予約金を払った」だけでは充当先やキャンセル時の返金条件は分からないので、領収書に明記してもらいます。
金額は計算用の架空例で、相場・標準条件・各費用の適法性を示すものではありません。保証金の返還には契約と適用法令の確認が必要です。
契約前に確認すること
- 契約者名、オーナー名、家賃、デポジット、契約期間、解約条件を書面で確認する
- 水漏れ、エアコン、給湯器、排水、家具、インターネット、害虫、騒音を内見時に見る
- 入居時の写真・動画を残し、既存の傷や汚れを契約書またはメッセージで共有する
- 契約相手・受取口座名が異なる場合は、オーナーの委任関係と支払い先を、以前から確認できている連絡先で照合する
契約で見落としやすい項目
デポジット返金
返金時期、清掃費、修理費、鍵交換費、違約金を事前に確認します。
退去通知
何日前までに通知が必要か、途中解約時に何か月分の負担があるかを確認します。
光熱費
請求元、メーター番号、使用量、単価、その他費用の内訳を確認します。管理会社独自の単価だから認められる、とは判断しないでください。
修理負担
自然故障、消耗品、入居者過失の線引きを確認し、連絡先を保存しておきます。
鍵を受け取る日に残す記録
部屋番号が分かる写真から始め、傷・家具・設備を同じ順番で撮影します。退去時も同じ場所を撮れば、比較しやすくなります。写真は自分だけで保存せず、入居直後にオーナーへ送り、既存の不具合として受領された記録を残します。
- 電気・水道:メーター番号と数値を、撮影日とともに保存。
- 設備:エアコンの冷え、排水、給湯、鍵の動作を確認。修理する項目と予定日を記録。
- 備品:鍵・カードの枚数、家具・家電の一覧を照合。
- 連絡先:貸主、仲介、建物管理事務所の役割を区別。修理依頼先と費用承認者を確認。
退去精算で食い違ったとき
退去通知は指定の期限・方法で送り、受領を確認します。立ち会いでは、入居時の記録と照合して修理箇所・最終メーター値・返却した鍵を記録し、保証金から引く費用について項目ごとの説明と根拠を求めます。
たとえば保証金40,000バーツから8,000バーツが控除される説明なら、「修理箇所、金額、写真や請求書、残額32,000バーツの支払予定日」を一つの書面で確認します。納得できない控除があるときは、契約、送金記録、入退去時の写真、やり取りを時系列にまとめて相談に持参します。
タイ消費者保護委員会(OCPB)は、保証金の不当な没収や水道・電気料金について相談を受け付けています。住宅賃貸の契約規制が自分の貸主・契約に適用されるかも含めて相談し、契約書に書いてあるだけで有効だと決めつけないでください。
相談窓口:1166。返金や解決を保証するものではありません。契約の適法性や請求方法の個別判断は、管轄窓口やタイ法の専門家へ相談してください。
関連して確認したいこと
契約内容は物件・オーナー・仲介会社により異なります。署名前に日本語または理解できる言語で内容を確認してください。
最終確認:2026年9月7日(費用比較例・入退去記録・OCPB相談先)。