バンコクで起きた音楽バー火災を受け、政府が娯楽施設の安全基準に関する法制度の見直しに動いています。ライブ音楽を伴う飲食店やバーを利用する在住者・旅行者にも関係する動きです。
何が起きたか
バンコク北部チャトゥチャック地区の「Rong Beer Na Ladprao」で火災が発生し、7月14日時点で死者は30人、負傷者は70人を超え、24人が重体と報じられています。バンコクでは17年ぶりの規模の火災とされ、出火原因や安全規則が守られていたかについては捜査が続いています。
制度上の焦点
予備的な調査では、この店舗は娯楽施設ではなく飲食店として登録されながら、実際にはライブ音楽を提供する娯楽施設に近い形で営業していた可能性が指摘されています。指定された娯楽施設ゾーンの外にあったため、娯楽施設向けのより厳しい防火基準の対象外だったと報じられています。
タイ構造技術者協会の会長は、現場を内部調査したわけではないと断ったうえで、低い天井や換気の少ない閉鎖的な構造、難燃処理が不十分な装飾用フォームが使われていた可能性など、被害を拡大し得る要因を挙げました。内装材や出火原因は、当局の捜査結果を待つ必要があります。
政府・バンコク都の対応
アヌティン・チャーンウィラクン首相は、娯楽施設に関する法律とゾーニング規制を広く見直す方針を表明しました。対象には施設の立地、営業許可、営業時間、ライブ演奏に関する規則が含まれる見通しです。政府は全国の娯楽施設と公共建築物を30日以内に点検するよう指示し、防火設備、非常口、収容人数、安全規則への適合を調べるとしています。
バンコク都のチャチャート・シッティパン知事も、同種施設のリスク調査と既存法の執行強化を指示しました。現在、バンコクの娯楽施設ゾーンは3区域に限られており、営業実態と規制のずれをどう解消するかが検討課題になります。
今後の焦点
現時点で法改正の内容や施行時期は確定していません。飲食店として登録されたライブ音楽施設をどの基準で娯楽施設とみなすか、非常口や防火設備、内装材、収容人数に関する基準をどこまで広げるかが焦点です。死傷者数や捜査状況も変わる可能性があるため、今後の政府・バンコク都の発表を確認する必要があります。
情報源
- Bangkok Post「Fire spurs venue law rethink」: https://www.bangkokpost.com/thailand/general/3285909/fire-spurs-venue-law-rethink
- NPR「Death toll from a Bangkok music bar fire rises to 30, dozens remain in hospital」: https://www.npr.org/2026/07/14/g-s1-133425/death-toll-bangkok-fire