タイ政府が準備するデジタルプラットフォーム法案について、デジタル経済社会(DES)省がEU型の規制枠組みを見直します。法案は再検討中で、利用者や事業者に新しい手続きが生じた段階ではありません。
何が起きたか
Bangkok Postが2026年8月14日に報じたところによると、DES省のチャイチャノック・チットチョーブ大臣は、「デジタルプラットフォーム経済法(Digital Platform Economy Act)」の草案を修正するよう担当者に指示しました。草案はEUのデジタル市場法(DMA)とデジタルサービス法(DSA)を参考にしていましたが、大臣はEU型の規制がタイのデジタル経済には厳しすぎるとの認識を示しました。
同省は中国の規制制度に加え、インドのオープンなデジタル商取引網、国内事業者を共通の枠組みに集める仕組み、専門規制機関の設置など複数の案を比較しています。修正後の条文はまだ公表されていません。
これまでの経緯
2025年4月8日、閣議は旧草案の作成を一時停止し、DES省とタイ取引競争委員会(TCCT)などに、タイの状況に合う規制と振興策を再検討するよう指示しました。今回の修正指示はその後の見直しに当たり、法案は閣議承認や国会提出に至っていません。
一時停止前の草案は、規模を問わずデジタルプラットフォームに基本的な義務を定め、大規模事業者やゲートキーパーには追加義務を課す構成でした。2025年1月に公表された案では、年間売上10億バーツ超または月間利用者600万人超を大規模オンラインプラットフォームの基準としていました。ただし、今後の修正で対象や基準が変わる可能性があります。
利用者・事業者への影響
新法が成立すれば、オンラインモール、SNS、検索、動画配信、クラウド、オンライン広告などに、利用者保護や公正な取引に関する義務が加わる可能性があります。現時点で新しい届け出や利用手続きは始まっていません。デジタルプラットフォーム事業者の届け出などを定めた2022年の勅令は引き続き有効です。
Bangkok Postは、政府が修正案を法制委員会の審査、閣議、国会へ進め、9月を暫定的な目標としていたと伝えています。今回の再修正後も日程を維持できるかは決まっていません。
情報源
- Bangkok Post「Thailand veers from EU model on digital platform law」
- タイ政府1111「2025年4月8日閣議要旨」
https://1111.go.th/Home/Newsdetails/9D654BC5F196409C88FD05001A60A77A
- 公正取引委員会「タイ電子取引開発機構、デジタル・プラットフォーム・エコノミー法の草案を公表」
https://www.jftc.go.jp/kokusai/kaigaiugoki/sonota/2025others/20253others.html
- タイ電子取引開発機関(ETDA)「デジタルプラットフォームサービスの規制」
https://www.etda.or.th/th/regulator/Digitalplatform/regulate.aspx