タイ財務省が、公務員医療給付の財政リスクを管理するため、民間保険を活用する案を検討しています。9月4日時点では制度設計の前段階で、受給者の手続きや給付内容が直ちに変わるとの発表ではありません。

何が起きたか

Bangkok Postは9月4日、財務事務次官のラワロン・センスニット氏が、将来は財務省が民間保険会社から医療保険を購入し、国家予算から医療費を直接支払う現在の方式に代える可能性があると述べたと報じました。タイのTrueIDも同日、同氏の発言として、政府が保険の仕組みを公務員医療費の管理に活用する構想を伝えています。

現在の制度と支出

同紙によると、公務員医療給付制度の対象は、現職・退職公務員、その他の国職員、配偶者・家族など約490万人です。財政政策局(FPO)は2026年6月公表の財政リスク報告で、同給付の支出増を中長期に注意すべきリスクに挙げました。TNNがFPOと中央会計局のデータを基に8月21日に報じたところでは、2025会計年度(仏暦2568年)の実支出は1,067億4,000万バーツで、938億バーツの当初予算を上回りました。財務省中央会計局(Comptroller-General's Department)は、給付費を管理するための法整備を準備していると報じられています。

制度化の前提となるデータ整備

財務省は、保険会社がリスクを評価して商品を設計できるよう、全国の病院から治療、薬剤費、薬の使用状況などのデータ収集を進めています。保健省傘下の病院では記録整備が進む一方、チュラロンコン、ラマティボディ、シリラートなど大学病院のデータを中央システムへ連携することが次の課題とされています。保険委員会事務局(OIC)とタイ損害保険協会は、過去6カ月にわたり検討を進めてきたと報じられています。

公務員・家族への影響

報道時点で、導入時期、対象者、給付範囲、医療機関の利用方法、保険料や自己負担の有無は公表されていません。少なくとも今回の報道では、公務員や家族に現在の受診方法の変更を求めておらず、民間保険への個人加入を促す内容でもありません。今後は財務省、中央会計局、OICなどの正式発表で制度の詳細を確認する必要があります。

情報源

- Bangkok Post「Role for private insurers seen in civil service health coverage」

https://www.bangkokpost.com/business/general/3313999/role-for-private-insurers-seen-in-civil-service-health-coverage

- TrueID/Thunhoon「รัฐบาลจับมือประกันภัย บูรณาการ Big Data ค่ารักษาข้าราชการ」

https://news.trueid.net/detail/M68WKR5Xdgjo

- タイ財政政策局(FPO)「รายงานความเสี่ยงทางการคลัง ประจำปีงบประมาณ 2568」

https://www.fpo.go.th/main/Economic-report/Risk-of-Fiscal-Report.aspx

- TNN「ค่ารักษาข้าราชการ 4.89 ล้านคน ทะลุแสนล้านบาท」

https://www.tnnthailand.com/wealth/economy/244618/