チェンライ県を流れるコック川の汚染問題で、流域の農家が農産物の販売や価格への影響を訴えています。ミャンマー側上流の鉱山開発との関連が指摘される越境河川汚染は、外交協議だけでなく、農業所得と食の安全への不安として続いています。
9月18日時点の続報
Thai PBS Worldは9月18日、チェンライ県コック川流域の農家が、重金属汚染への不安で果物や野菜が売りにくくなっていると報じました。ドイルアン郡の農家は、トウモロコシから重金属汚染が見つかったとして、契約先が栽培依頼を止めたと話しています。
同記事では、地元農業関係者が、農産物価格のさらなる下落を懸念し、土地開発関連当局による水質と土壌の検査を求めているとされています。チェンライ農業評議会の関係者は、9郡の農地に影響が及んでいると主張しています。
コック川は地域の生活用水や農業用水と結びついています。検査結果や補償の枠組みが不十分なまま不安が広がると、実際に汚染された作物だけでなく、流域全体の農産物の買い控えや価格低下につながるおそれがあります。
一方で、個別の農産物が食べられるかどうかは、品目、畑、水源、検査結果によって異なります。地域名だけで農産物全体を危険と決めつけるのではなく、県当局、保健当局、農業関連機関の検査結果を確認する必要があります。
これまでの経緯
Nation Thailandなどの報道によると、アヌティン・チャーンウィラクン首相は8月初旬、ミャンマーのミンアウンフライン大統領のタイ訪問時に、コック川の汚染問題を直接取り上げる考えを示していました。会談に先立ち、ミャンマーの外相がアヌティン首相と面会し、タイ側の懸念について事前説明を受けたと報じられています。
コック川はミャンマー領内を源流とし、タイ北部チェンライ県へ流れ込む河川です。検査ではヒ素や重希土類元素が検出されたと報じられ、上流のミャンマー側で行われている鉱山開発との関連が指摘されています。河川利用への警戒が続き、タイ当局は健康影響の監視や代替水源の確保を進めています。
タイ側の対応・流域住民への影響
タイ当局は、汚染による住民への健康影響を監視するとともに、代替水源の確保を進めているとされます。アヌティン首相は、今回の会談について「儀礼的な外交にとどめず、両国にとって具体的な利益となる対策に焦点を当てたい」との考えを示しました。会談では、コック川の汚染問題に加え、越境する煙害(ヘイズ)、麻薬密造・密輸、国境管理なども議題になる見通しです。
今後の見通し
焦点は、タイ側当局が水質・土壌・農産物の検査結果をどこまで継続的に公開し、農家の損失や代替水源の問題にどう対応するかです。越境河川のため、タイ国内の監視だけでなく、上流側の鉱山管理やミャンマー側との協力も避けて通れません。チェンライ県などコック川流域に住む人は、県や保健当局が発表する水質・健康関連の最新情報を確認してください。
情報源
- Thai PBS World「Increasing concern among farmers about Kok River contamination」
https://www.thaipbsworld.com/around-thailand/558145
- Nation Thailand「Anutin to raise Kok River pollution in talks with Myanmar president」
https://www.nationthailand.com/news/asean/40068929
- Khaosod English「Myanmar's Min Aung Hlaing to visit Thailand in early August, PM says」