カンボジア政府は8月28日、国内の大規模なオンライン詐欺拠点を一掃したと発表しました。ただし、これは政府の主張であり、独立した専門家からは慎重な見方も出ています。政府自身も、詐欺グループが小規模・分散型へ移っていると説明しています。
何が起きたか
政府系通信社AKPによると、2025年7月から2026年8月20日までに、当局は詐欺が疑われる793地点を調査し、624地点で摘発を実施しました。さらに、関係者が逃走した169地点で証拠を収集したとしています。このため、「700カ所超をすべて摘発した」という意味ではありません。
政府発表では、作戦中に39国籍の約3万人を拘束しました。また、外国人5万8,266人を救助して国外退去させ、このうち2万2,045人についてオンライン詐欺への直接関与を確認したとしています。司法手続きでは408件を裁判所へ送り、29国籍の3,477人が公判前勾留中です。これらはカンボジア政府が公表した集計で、国外退去者全員を犯罪関与者とみなすものではありません。
摘発後も続く懸念
カンボジア政府は、大規模な拠点は一掃したとする一方、犯罪グループがゲストハウス、コンドミニアム、賃貸住宅、車両、コーヒーショップなどを使う小規模・分散型へ戦術を変えたと説明しています。
AP通信は、詐欺拠点を追跡してきた専門家が政府の「一掃」主張に懐疑的であることや、人身取引被害者から支援団体への相談は大きく減ったものの止まってはいないことを報じました。大規模拠点への摘発が進んだことと、オンライン詐欺や人身取引がなくなったことは分けて考える必要があります。
小規模・分散化した勧誘への注意
タイ雇用局も、SNSなどの高収入求人をきっかけに隣国へ渡り、コールセンター詐欺や強制労働へ巻き込まれる危険を注意喚起しています。今回の発表が示す新しい点は、活動場所が大規模施設から一般の宿泊施設や住宅などへ分散している可能性です。海外就労の誘いを受けた場合は、雇用主、就労許可、渡航先をタイ雇用局や大使館などの公的窓口で確認してください。
情報源
- カンボジア政府系通信社AKP「Cambodia Clears 624 Online Scam Sites, Says No Scam Compounds Remain」
https://akp.gov.kh/post/detail/379731
- AP「Cambodia claims it has wiped out online scam compounds after a sweeping crackdown」
https://apnews.com/article/ae52ba73f813548d8a0cd9f81cd4469a
- Euronews「Cambodia shuts over 700 cyberscam locations over past year, government says」
- タイ雇用局「海外の高収入求人を利用したコールセンター詐欺・強制労働への注意」
https://www.doe.go.th/prd/main/news/param/site/1/cat/7/sub/0/pull/detail/view/detail/object_id/99923
- 画像: Thai Life Navi作成の生成イメージ