タイ政府が、地元住民の反対を受けて保留されてきたソンクラー県チャナー郡の深海港・準工業団地構想を、あらためて調査する方針を示しました。現時点では建設決定ではなく、国家経済社会開発評議会(NESDC)による検討の段階です。
チャナー新港をNESDCが再調査へ
ピパット副首相兼運輸相は8月17日、チャナー郡に新たな深海港を設け、民間投資による準工業団地として整備する構想について、NESDCに再調査してもらう方針を明らかにしました。理由として、既存のソンクラー港は水深9メートルを超える浚渫が難しいことを挙げています。海底の岩盤に加え、隣接するホアカオデーン地区に古跡があるため、大型船に対応する拡張ができないと説明しています。この構想は、8月31日から9月1日にソンクラー県で予定される移動閣議に向けた南部5県の案件取りまとめの中で示されました。
2019年の閣議了承と2021年のSEA待ち
タイ政府は2019年5月7日、チャナーを「第4のモデル都市」として開発する方針を閣議で原則了承しました。その後、地元漁業者や住民から、漁業や生活環境への影響、住民参加の不足を懸念する声が上がりました。2021年12月14日の閣議は、すべての関係者が参加する戦略的環境アセスメント(SEA)を実施し、結果が確定するまで関係機関が事業を進めないよう求めています。今回の再調査方針では、SEAの現状や住民参加の進め方は明らかになっていません。
事業者・住民が確認する点
構想は民間投資を想定し、政府は主に事業承認や都市計画を担うと説明されています。ただし、現時点では投資案件や発注が決まったわけではありません。住民にとっては、漁業や生活環境への影響をどう評価するかに加え、NESDCや県が今後示すSEA、公聴会、住民参加の案内が重要になります。
8月末の移動閣議で注目する点
移動閣議では、ソンクラー、サトゥーン、パッタニー、ヤラー、ナラティワートの南部5県が求める事業や都市計画上の課題が扱われる予定です。新港構想については、NESDCへの正式な付託、調査範囲と日程、SEAとの関係が示されるかが焦点です。
情報源
- Thairath「เตรียมให้ สศช. ศึกษาท่าเรือน้ำลึกแห่งใหม่ที่ อ.จะนะ เหตุเขตท่าเรือสงขลา ขุดเพิ่มไม่ได้」
https://www.thairath.co.th/news/politic/2953337
- Thai PBS「พิพัฒน์ เตรียมเปิดแผนท่าเรือน้ำลึกแห่งใหม่ที่ 'จะนะ' ให้สภาพัฒน์ศึกษา」
https://www.thaipbs.or.th/news/content/509516
- Bangkok Post「Govt pushes Chana estate plan」
https://www.bangkokpost.com/thailand/general/3306289/govt-pushes-chana-estate-plan
- Greenpeace Southeast Asia「Thai coastal communities unite against the Chana industrial project」
- NESDC「チャナー郡の地域開発計画に関するSEAの進め方」
- Thai PBS「2019年5月7日の閣議了承とチャナー開発計画」
https://www.thaipbs.or.th/news/content/294482
- 画像: ソンクラー港(資料写真、Oatz / Wikimedia Commons、パブリックドメイン)
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Songkhla_Sea_Port.jpg