タイ特別捜査局(DSI)は2026年9月24日、無認可ブローカーを使った投資勧誘事件について、法人10社と個人24人を含む34人分の捜査資料を特別事件担当の検察へ送付したと発表しました。DSIは捜査側として全員の起訴相当意見を付けていますが、起訴するかどうかは検察側の判断であり、刑事責任が確定したわけではありません。

続報(2026-09-24)

DSIの発表によると、事件番号は特別事件92/2569で、捜査資料は102ファイル、4万348ページに及びます。DSIは、QRS、GOFX、Eterwealth、HFMなど、タイ国内で許可を得ていないブローカーを通じて投資を勧誘し、利益保証、クローズドグループでの売買シグナル提供、代理運用、虚偽の投資ポートフォリオ表示などを行った疑いがあると説明しています。

被害額は170億バーツ超とされます。DSIは、投資した人の一部がさらに別の人を勧誘し、手数料や報酬を受け取る構造もあったとして、公衆詐欺や、いわゆるネズミ講型の資金集めに該当する可能性を示しています。

Bangkok Postは、捜査対象の中にPeople's Partyのパウート・ポンウィタヤーパヌー議員や俳優ラッタポーム「フィルム」・トーコンスップ氏が含まれると報じています。関係者の認否や個別の責任は、今後の検察判断と裁判手続きで確認される段階です。

これまでの経緯

DSIなどの共同捜査チームは2026年6月、「Shutdown the Laundering(マネーロンダリング遮断)」作戦として、バンコクおよび周辺県で大規模な捜査を行いました。本捜査では、現金や高級車などの資産が押収され、多数の関連銀行口座が凍結されたと発表されています。

6月25日には、Bangkok Postが、DSIがこの外国為替(Forex)詐欺事件に関連してPeople's Partyのパウート議員を聴取のために呼んだと報じました。同議員は、潔白を証明する用意があると述べたとされています。8月には、DSIが関係者の一部に容疑を通知したと報じられ、今回の検察送致が次の大きな手続き上の進展になります。

在住者・長期滞在者への影響

タイ国内では、高金利や特別な投資機会を騙った不審な投資勧誘が日常的に行われており、外国人居住者もターゲットにされる危険性があります。

タイ中央銀行(BOT)やタイ証券取引委員会(SEC)は、無認可の金融サービスや投資勧誘に注意するよう継続的に呼びかけています。今回のDSI発表でも、無許可のForex投資・取引勧誘が捜査対象として示されています。そのため、タイ国内の個人や業者から「Forex取引による高配当投資」を持ちかけられた場合は、まず正規のライセンスや登録の有無を確認し、確認できない相手には送金しないことが重要です。

投資勧誘を受けた時の確認

投資の勧誘を受けた際は、契約や送金を行う前に以下の項目を必ず確認してください。

  • 金融規制当局によるライセンスの確認: タイ国内で投資や金融取引、投資助言のサービスを提供する業者は、タイ証券取引委員会(SEC)やタイ中央銀行(BOT)の認可が必要です。SECの「Investor Alert」ポータル等を利用し、勧誘を行っている業者が無認可リストに掲載されていないか、正規のライセンスを保有しているかを照合してください。
  • 「元本保証」や「異常な高配当」の提示の警戒: 「月利数%を確実に保証する」「元本は絶対に安全」といった投資話は、後続の会員から集めた資金を配当に回すピラミッドスキーム(ネズミ講)の典型的な特徴です。リスクのない高利回り投資は存在しません。

送金前の対応

「指定の個人口座に今すぐ振り込んでほしい」「暗号資産のウォレットに直接送金してほしい」と要求する投資勧誘には応じないでください。正規の取引所や金融機関を介さない個人口座への入金は、資金回収が難しくなるおそれがあります。

友人やビジネス関係者から「会社登記の代表名義を貸してほしい」「銀行口座やSIMを代理契約してほしい」と頼まれた場合も断る必要があります。知らない場所で投資詐欺やマネーロンダリングのインフラとして使われた場合、事情を知らなかったとしても警察、銀行、関係機関への説明や法的トラブルに巻き込まれるおそれがあります。

不審な勧誘に遭遇した、あるいは実際に金銭的被害に遭った可能性がある場合は、被害の拡大を防ぐため、タイ警察オンライン犯罪通報ポータル、ツーリストポリス(1155)、または在タイ日本国大使館などへ相談してください。

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