タイ国内および東南アジア全域で深刻化するオンライン詐欺やサイバー犯罪、国際犯罪組織への対策として、タイ政府は取締体制の再編と強化に乗り出しています。

2026年6月には、タイ国内におけるサイバー犯罪防止のための小委員会新設に加え、南部リゾート地において外国人が現地人名義を違法に借りて不動産開発などを行う「ノミニー事業」に対する大規模な取り締まりが実行されました。

何が起きたか

主要メディア報道によると、アヌティン首相が議長を務める「技術犯罪・国際犯罪予防制圧委員会」のもと、サイバー犯罪取締りや法制度見直し、金融データ連携を担う5つの小委員会が設置され、監視体制が強化されています。

さらに2026年6月20日、タイ警察や関係行政機関は南部3県(プーケット、パンガー、クラビ)で、外国人による違法なノミニー事業の疑いを調べる大規模な共同捜査を実施しました。

Bangkok Postは、タイ人と外国人合わせて48人が逮捕され、総額10億バーツを超える関連資産が押収されたと報じています。逮捕された人々の刑事責任や、個々の事業・資産が違法であるかどうかは、今後の捜査や司法手続きで判断されます。

続報(2026-06-25)

Bangkok Postが2026年6月25日に報じたところによると、バンコクのフワイクワーン(Huai Khwang)地区で、ノミニー(名義借り)企業に対する取り締まりが行われたとされています。これは、南部のリゾート地だけでなく、バンコク中心部でも、外国人が関わる名義借りや実質的な支配の有無の確認が強化されていることを示すものです。タイ人名義の会社、名義貸し口座、出資比率、実質的な支配関係、銀行口座、賃貸・登記書類などにリスクがないか、起業や不動産取得の前に、独立した弁護士・会計の専門家に確認してください。「すべての外国人事業が違法・危険」というわけではなく、正規の手続き(会社設立、就労許可、会計処理、契約書の確認)を踏むことが大切です。

在住者・長期滞在者への影響

今回の取り締まり強化は、タイ国内で生活する日本人や、現地での投資・起業、不動産取得を検討している個人・事業者に直接影響します。特に、意図せず「名義貸し」や「違法スキーム」に加担してしまうケースへの警戒が必要です。

  • マネーミュール(口座・SIMカードの名義貸し)への注意: タイ国内では、自己の銀行口座やSIMカードを他人に使わせる行為が、詐欺グループの資金移動や本人確認逃れに悪用されることがあります。小遣い稼ぎなどの名目でも名義を貸さず、不審な依頼は断ってください。
  • 不動産・会社設立におけるノミニー規制: タイでは外国人による土地所有に制限があり、その制限を回避する目的でタイ人名義の会社を形式的に利用する行為は問題となる可能性があります。今回の摘発報道でも、資金の流れや実質的な支配関係が捜査対象になっています。起業や不動産購入の際は、契約前に独立した弁護士や会計の専門家へ確認することが重要です。

確認すべきこと

  • 副業や投資案件の確認: SNSなどを通じて「タイの口座を開設するだけで報酬が得られる」といった話を持ちかけられた場合は、詐欺や名義貸しに巻き込まれる可能性が高いです。個人情報や口座情報を安易に開示しないでください。
  • 不動産取得プロセスの透明性: タイ国内で不動産を購入する際、仲介業者や代行会社から「現地人の名義を借りれば土地を持てる」と提案された場合は、その場で契約や送金をせず、利害関係のない弁護士へ適法性を確認してください。

今日または今週すること

  • 名義貸し・譲渡依頼を完全に断る: 友人やビジネスパートナーからの依頼であっても、自己名義の口座やSIMカードを他者に提供することは避けてください。不要になった口座は解約するなど、適切な管理を徹底してください。
  • 不審な勧誘やトラブル発生時の相談番号: 違法な名義貸し要求や、投資トラブルに遭遇した場合は、タイ政府の技術犯罪対策センター(AOC Hotline: ダイヤル 1441)や、ツーリストポリス(ダイヤル 1155:日本語対応可能)へ迅速に相談してください。

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