タイの銀行融資は2四半期連続で前年同期を上回りました。一方、家計債務は高水準にあり、国家信用情報センター(NCB)の集計では中小企業などの不良債権比率も高止まりしています。対象と時点が異なる統計を分けて、タイの与信環境を見ます。

何が起きたか

タイ中央銀行(BOT)が8月18日に示した2026年第2四半期(4〜6月)の銀行融資残高は、前年同期比2.0%増でした。第1四半期の0.2%増に続く2四半期連続の増加で、その前の6四半期は前年同期を下回っていました。

資産の質を示す不良債権(NPL)比率は6月末時点で2.82%となり、3月末の2.85%から小幅に低下しました。BOTは銀行システムは安定しているとする一方、中東情勢と景気回復のばらつきが返済能力への重荷になると説明しています。

家計債務とSME向け与信の状況

家計債務の第2四半期の正式データはまだ公表されていません。Bangkok Postによると、直近の2026年3月末は16.4兆バーツ、GDP比85.9%でした。BOT担当者は、第2四半期も上昇の兆しは見られないと述べていますが、正式な数値は翌月に公表される予定です。

一方、NCBの別集計では、中小企業と法人向け融資の不良債権比率が2026年6月時点で10.92%となり、要注意債権の4.95%を合わせると約16%が高リスク区分でした。対象は個人を除く約110万口座、与信残高2.54兆バーツで、残高の伸びは前年同期比0.5%にとどまりました。NCBの集計は商業銀行以外の貸し手も含むため、BOTが示す9.5%より高いと報じられています。

在住者・事業者への影響

BOTは、第3四半期も大企業の運転資金や原材料向け需要を中心に融資が増えると見ています。一方、建設や不動産などでは不良債権が増える可能性を挙げています。融資残高全体が増加したことだけで、中小企業や個人向けの審査環境まで一律に緩んだとは判断できません。

情報源

- Bangkok Post「Thai bank lending picks up, bad loans edge down」

https://www.bangkokpost.com/business/general/3303779/thai-bank-lending-picks-up-bad-loans-edge-down

- Nation Thailand「Thai SME bad loans hit 10.92% as credit growth weakens」

https://www.nationthailand.com/business/economy/40069820