タイの民事裁判所が、送金詐欺を巡る訴訟で、原告会社に対する銀行側の賠償責任を認める判決を出しました。深夜に行われた不審な送金を検知できなかったことが問われています。

何が起きたか

Bangkok Postの報道によると、タイの民事裁判所はカシコン銀行に対し、100万バーツと年5%の利息を原告会社へ支払うよう命じました。2024年に女優チャーロット・オースティン氏が偽の当局者を名乗る相手の指示を受け、銀行アプリから計400万バーツを3回に分けて送金した事件を巡る民事訴訟です。

裁判所は、午後5時に行われた最初の200万バーツの送金は、銀行が詐欺と認識するのは困難だったと判断しました。一方、午前0時以降に連続して行われた2回、計200万バーツの送金は通常と異なり、銀行にはより強い監視と警告の仕組みが必要だったとしました。同時に原告側にも送金上の過失があったとして、対象となった損失の責任を半分ずつ負う判断を示しました。

背景・なぜ重要か

タイでは近年、オンライン詐欺や送金詐欺の被害が社会問題となり、2025年4月施行の改正技術犯罪防止緊急勅令では、関係者の過失に応じて責任を分担する枠組みが導入されました。今回の判決は、深夜の高額な連続送金に対する銀行の監視体制と、利用者側の注意義務の両方を個別に判断した事例として注目されます。

在住者への影響

タイで銀行口座を持ち、オンラインバンキングを利用する人にとって、銀行がすべての被害を自動的に補償するわけではない点が重要です。今回も400万バーツ全額ではなく、深夜の2回の送金に関する損失を銀行と原告側で分担しました。詐欺に気付いた場合は送金先とのやり取りを止め、利用銀行と警察のオンライン犯罪通報窓口へ速やかに連絡し、送金記録や通話履歴を保存する必要があります。

情報源

- Bangkok Post「Scammed actress wins B1 million in damages from bank」

https://www.bangkokpost.com/thailand/general/3284442/scammed-actress-wins-b1-million-in-damages-from-bank

- タイ中央銀行「Joint responsibility measures for technology crime」

https://www.bot.or.th/en/news-and-media/news/news-20250130.html