タイ政府は10月19日、外国人がタイ人名義を利用して土地を保有する違法な「名義借り(ノミニー)」への対策を強化すると発表しました。アヌティン首相は、リスクの高い案件を優先し、2026年12月中に個別の調査の結論を出すよう土地局と県知事に指示しました。
何が起きたか
政府広報局(PRD)の発表によると、対策は、疑いのある土地保有の調査、違法な保有が確認された場合の法律に基づく売却措置、新たな名義借りを防ぐ仕組みの整備の3本柱です。登記上の所有者や株主名だけでなく、資金の流れや実際に利益を受ける人まで確認する方針です。
Thai PBSは同日の土地局長の説明として、全国462の土地事務所に、管内で土地を保有する法人の株主構成や関連する事情を調べ、県の調査小委員会と連携するよう指示が出たと報じました。首相は、違法な保有への対応後も譲受人を確認し、名義を別の人物に移すだけで問題が残る事態を防ぐよう求めています。
9月の法人データ照合から何が進んだか
9月7日のThai PBS報道では、商務省事業開発局(DBD)が、土地やコンドミニアムを保有する法人125,622件のデータを確認し、関係機関へ情報を提供したと説明していました。その時点の数字は調査対象の規模であり、違法な名義借りが確認された件数ではありません。
今回の発表で加わったのは、土地局と県知事がリスクの高い案件を優先して個別の結論を出す期限と、違法保有が確認された後の売却・譲受人確認を進める方針です。法人情報を広く照合する段階から、土地ごとの実態と対応を詰める段階へ進む動きといえます。
外国人出資法人への意味
対象は、外国人の出資があるという理由だけで一律に違法とされるものではありません。DBD局長は9月の説明で実体のある合弁事業も含まれると述べており、首相も今回、法律を守る透明な外国投資を引き続き歓迎すると表明しました。
土地を保有する法人や取引に関わる人にとって重要なのは、登記上の名義と実際の資金提供・支配関係を当局が合わせて見る点です。12月は調査の結論を求める期限であり、外国人が関係する土地すべての売却期限を示したものではありません。個別案件での違法性や処分は、それぞれの調査と法的手続きによって判断されます。
情報源
- タイ政府広報局(PRD)、2026年10月19日の対策発表
https://region8.prd.go.th/th/content/category/detail/id/495/iid/552074
- Thai PBS、2026年10月19日、全国462土地事務所への調査指示
https://www.thaipbs.or.th/news/content/571267
- Nation Thailand、2026年10月19日、調査期限と売却後の確認方針
https://www.nationthailand.com/news/general/40072471
- Thai PBS、2026年9月7日、DBDの法人データ照合と合弁事業の説明