タイ政府が、石油コンセッション(探鉱・生産権)の生産期間を複数回延長できるようにする石油法改正案を進めています。現行制度では延長は1回・最長10年とされており、既存鉱区での生産継続や新規投資の呼び込みを狙った見直しです。
何が起きたか
Bangkok Postの報道によると、タイ政府は石油・天然ガスの生産期間を複数回延長できる制度の承認に近づいています。現行の石油法では、生産期間の延長は1回・最長10年までに限られていますが、鉱物燃料局(DMF)はこの回数制限を見直す改正案を準備しています。
エラワン鉱区の交代で起きたこと
この見直しの背景には、エラワン鉱区の運営者交代時に生産量が大きく落ち込んだ経緯があります。シンプーホーンやシリキットなど生産年数の長い既存鉱区でも同様の空白が起きることを避け、事業者が長期的な投資判断をしやすくする狙いがあるとされています。
成立前に変わること・変わらないこと
タイは天然ガスを発電などに使っており、既存鉱区での生産継続は国内のエネルギー供給の安定に関わります。制度が確定すれば、探鉱・生産事業者や関連サービス企業の投資判断に影響する可能性があります。一方、法改正案の段階であり、家庭や一般事業者の料金・契約が直ちに変わるものではありません。
法律事務所の解説によると、改正案の意見公募は2026年3月9~28日に実施されました。Bangkok Postは7月18日、鉱物燃料局が改正案を内閣と法制委員会に提出する方針だと報じています。改正が成立するまでは現行の1回・最長10年の延長ルールが続きます。具体的な延長条件や施行時期は、鉱物燃料局、内閣、法制委員会の正式文書で確認する必要があります。
情報源
- Bangkok Post「New oil rules to elevate output, energy security」
https://www.bangkokpost.com/business/general/3287640/new-oil-rules-to-elevate-output-energy-security
- Nagashima Ohno & Tsunematsu「Thailand's 2026 Energy Outlook: Critical Reserve Data & the Race to the Andaman」
https://www.nagashima.com/en/publications/publication20260220-2/
- タイ鉱物燃料局「Petroleum Act B.E. 2514」
https://law.dmf.go.th/public/law/index/detail/id/12
- Chandler Mori Hamada「Proposed Amendments to the Petroleum Act」
https://chandler.morihamada.com/en/insights/newsletters/7101