タイ政府が、住宅の屋根置き太陽光発電の設置を後押しするため、1世帯あたり5万バーツの補助金を給付する新制度を検討しています。対象は電気代負担の大きい世帯で、財務省は早期の制度化を目指すとしています。
何が起きたか
2026年8月7日、副首相兼財務相のエクニティ・ニティタンプラサート氏は、住宅の屋根置き太陽光発電設置を支援するため、1世帯あたり5万バーツ(返済不要)の補助金を給付する制度を検討していると発表しました。財務省は内務省、首都圏配電公社(MEA)、地方配電公社(PEA)と共同で制度設計を進めており、発表から1か月以内に審査委員会へ提案し、実施に向けた手続きを急ぐ方針です。
対象と仕組み
対象は主に月間電気代が3000~4000バーツ程度の世帯で、50万~100万世帯が対象になる見込みです。推奨される太陽光発電容量は5kW程度で、設置費用はおよそ10万バーツ超とされています。5万バーツの補助金を除いた残額は、政府系の貯蓄銀行(GSB)や住宅金融公庫(GHB)が低利融資で対応し、電気使用実績を審査材料に含めるとしています。返済は電気代の節約分から充てる想定で、月2000バーツの節約効果がある世帯であれば、その半分の1000バーツを返済に回し、残りを手元に残せるとエクニティ氏は説明しています。同氏によれば、初期費用の自己負担なしに3~4年で投資回収できるとの試算ですが、実際の節約額や回収期間は設備費、融資条件、屋根の条件、電力使用量によって変わります。
余剰電力の売電制度
補助金案では、余った電力を電力会社に売却できる仕組みも想定されています。これとは別に、地方配電公社(PEA)は2026年分の家庭用太陽光発電買取制度の申請受付を既に開始しています。PEAの制度では、売電できる容量は1件あたり最大5kW(AC)、買取価格は1kWhあたり2.20バーツ、契約期間は運転開始から10年間で、PEA・MEA合計の買取上限は500MW(AC)です。申請はオンラインで受け付け、契約者名・住所・電力利用区分を最新の請求書情報と一致させる必要があります。検査費用は2000バーツ(VAT別)、申請期限は2027年11月30日、運転開始期限は2027年内です。
生活への影響
今回検討されている5万バーツの補助金制度は、電気代負担の大きい世帯にとって初期費用のハードルを下げる可能性がありますが、現時点ではスクリーニング委員会への提出前で、対象世帯の具体的な選定基準や申請開始時期は決まっていません。PEAの既存売電制度は設置費用を申請者が全額負担する別制度であり、参加しても補助金の対象になるとは限りません。補助金を前提に契約や設置を進めず、財務省、PEA、MEAの正式発表を確認してください。
情報源
- The Nation「Thailand plans rooftop solar grants of 50,000 baht per household」
https://www.nationthailand.com/sustaination/40069497
- The Nation「PEA launches 2026 household solar rooftop scheme at 2.20 baht per unit」
https://www.nationthailand.com/sustainability/renewable-green-energy/40068182
- Bangkok Post「Govt speeds up rooftop solar scheme」
https://www.bangkokpost.com/thailand/general/3298609/govt-speeds-up-rooftop-solar-scheme
- タイ政府「オンライン申請を開始したソーラー市民プロジェクト」
https://www.thaigov.go.th/th/news/165974
- PEA「2026年以降の住宅向け屋根置き太陽光発電買取制度」
https://ppim.pea.co.th/app/v1/project/solar/detail/6a3df059ee9f0e286c0a1766