タイ証券取引委員会(SEC)は2026年9月2日、デジタル資産の送受金に関する新しいリスク管理規則「トラベルルール」を公表しました。マネーロンダリングや技術関連犯罪への対策として、タイのデジタル資産事業者に取引情報の収集、確認、伝達、保存を求める内容です。

何が起きたか

SECの発表によると、顧客のデジタル資産の送受金を扱う事業者は、送金者と受取人に関する情報を収集し、取引相手や相手方のデジタル資産事業者を確認する必要があります。送金を指示する事業者は、送金者・受取人の情報を送金指示とともに受取側の事業者へ伝達します。

自己管理型(セルフホステッド)ウォレットとの間で送受金する場合は、事業者がウォレットの所有者または管理権限を持つ人を確認します。規則の対象は全取引で、事業者は取引に伴う情報を少なくとも5年間、当局が直ちに閲覧・検査できる形で保存しなければなりません。

制度の背景

SECは2026年3〜4月に基本方針、6〜7月に規則案への意見を募集し、タイ・マネーロンダリング防止事務局(AMLO)と連携して最終規則をまとめました。国際的なマネーロンダリング・テロ資金供与対策を定める金融活動作業部会(FATF)の基準に沿う措置です。

利用者と事業者への影響

規則は2027年2月27日に施行されます。それまでの期間に、対象事業者は情報を送受信するシステムや取引確認の手続きを整備します。

タイの取引所などを通じてデジタル資産を送受金する利用者は、施行後、送金先や送金元について追加情報を求められる可能性があります。自己管理型ウォレットを使う場合も、所有や管理権限を確認する手続きが加わる可能性があります。SECの9月2日付公表概要は、個別の罰則を示していません。

情報源

- タイ証券取引委員会「Travel Rule for Digital Assets」公式発表(タイ語)

https://www.sec.or.th/TH/Pages/News_Detail.aspx?SECID=13275

- タイ証券取引委員会「SEC issues Travel Rule for Digital Assets」公式発表(英語)

https://www.sec.or.th/EN/Pages/News_Detail.aspx?SECID=13277

- Bangkok Post「Regulator tightens digital asset Travel Rule conditions」

https://www.bangkokpost.com/business/general/3312884/regulator-tightens-digital-asset-travel-rule-conditions